#0072 トリクロロエチレンおよびトリクロロエタノールによるモルモットの局所的肝壊死を伴う皮膚感作性
工業用洗浄剤による皮膚アレルギーと肝障害の発生について
トリクロロエチレン（TCE）は、安価で不燃性であることから、特にアジアで工業用洗浄溶剤として非常に人気があります。しかし、TCEは、中国の労働者の間で、TCEにさらされたことによる過敏症が報告され、深刻な労働災害の原因となっています。TCE過敏症症候群（TCEHS）と呼ばれるこの症状は、発熱、皮疹、肝機能障害などを特徴とします。TCEHSは、免疫システムの誤作動の結果であることが研究で示されていますが、TCEそのもの、あるいはその代謝物（代謝の過程でできる物質）であるトリクロロエタノール（TCEOH）、トリクロロ酢酸（TCA）によって引き起こされるかどうかは明らかではありません。
そこで、TCEHSの原因となるアレルゲン（免疫系を刺激し、皮膚アレルギーや肝機能障害を引き起こす物質）を、アレルゲンと疑われる物質をモルモットに注射してアレルギー反応をみる標準的なモルモット最大化試験（GPMT）で調べることにしました。そこで、健康なモルモットにTCE、TCEOH、TCAを注射し、皮膚や肝臓の一部を顕微鏡で観察してGPMTを実施しました。また、肝機能の指標として、血清中の肝酵素であるアラニンアミノトランスフェラーゼ（ALT）とγ-グルタミルトランスペプチダーゼ（GGTP）の濃度を調べました。
モルモットの皮膚炎症スコアから、感作率（感受性の高まりを示す指標）をTCE群90％、TCEOH群50％、TCA群0％と算出しました。また、TCE群とTCEOH群では皮膚の発赤が認められましたが、TCA群では認められませんでした。さらに、TCE群およびTCEOH群では、血清中のALTおよびGGTPが増加し、肝細胞の壊死（肝細胞の死滅）の兆候が見られ、肝障害を示唆しました。
これらのことから、TCEとTCEOHの両方がモルモットの過敏性症候群の発症に関与していると結論づけました。これらの化学物質の影響についてさらに研究を進めることで、アレルギー性についての理解が深まり、TCEHSの予防や治療戦略への扉が開かれるでしょう。
一方、工業用洗浄剤については、TCEに代わる代替品を検討する必要があります。
（注：本記事は原文英語記事からDeepLを用いて自動翻訳したものです）。
元のジャーナル記事へのリンク：
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/1348-9585.12142
この記事のタイトル：
Trichloroethylene and trichloroethanol induce skin sensitization with focal hepatic necrosis in guinea pigs
著者：
Na Zhao, Xiangrong Song, Hisao Naito, Hongling Li, Yongshun Huang, Lili Liu, Fengrong Lu, Tingfeng Cai, Yuki Ito, Michihiro Kamijima, Hanlin Huang, Tamie Nakajima, and Hailan Wang
